道草だらけの人生凸凹日記

一人農家・ニコニコファームのドタバタ日記

とちぎ獣害対策地域リーダー育成研修会②

文月七日

那須烏山市で行われた、とちぎ獣害対策地域リーダー育成研修(2)に参加しました。
今回のテーマは「地域ぐるみによる被害対策の進め方」

午前中は宇都宮大学雑草と里山の科学教育研究センター 小寺祐二さんによる座学で獣害(イノシシ)の原因と対策について座学を学びました。

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そもそもなぜ野生動物による農作物被害が起きるのか、その原因は二つあります。

1.同所分布 ⇒ 野生動物と人間が同じエリアに住んでいること 
2.競争関係 ⇒ 野生動物と人間との間に農作物を介して競争関係が発生していること


さらに猪による獣害が増加している原因は3つあります。

1.広葉樹(椎木、樫木、楢木) ⇒ ドングリは猪の大好物
2.耕作放棄地 ⇒ 猪の隠れ蓑
3.竹林 ⇒ 同上


ではどうやって獣害(イノシシ)を減らすのか?4つの方法があります。

1.武力行使 ⇒ 狩猟、罠により個体を減らす
2.撤退 ⇒ 耕作放棄
3.停戦ラインの設置 ⇒ 柵の設置
4.原因除去 ⇒ 転作(猪の好まない作物を耕作)


イノシシ対策成功の一番の秘訣は住民意識の高さにあるそうです。
どんなに高価な柵を設けても住民意識が低いと管理が行き届かなくて効果が出ない。
獣害対策は柵を設置して終わり、という訳では無いのですね。



午後は実際に農地周辺を見回り、実際に猪害が発生しやすい状況を確認しました。

道路の右側には木が生い茂り、猪が身を隠すには好条件となってます。
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猪の好物ベスト3は、

1.ドングリ(広葉樹)
2.トウモロコシ
3.小麦、米

猪が土を掘り返すのは、ミミズを食べてるのではなく、スギナ等、草の根っこを食べてるそうです。
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飼料用の作物も栄養価が高いので猪が好んで食べるそうです。
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果樹は猪の隠れ蓑となりやすいので、発生しやすい状況になります。
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猪の目線から撮影するとこんな感じに写ります。
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50cm以上の草木があると、猪が人家からは見えにくくなることが分ります。

猪の跳躍力は侮れないもので、人間の20代男子と同等の跳躍力があるそうです。
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この川の側壁も2m位ありました。


以上により、イノシシの害を減らすには、いかに猪の隠れ蓑となりやすい草木を減らす(草刈りなど)ことが重要だということが分ります。